1. 軽さ
アルミニウムの比重は約 2.7、マグネシウムの比重は約 1.7 であり、共に実用金属の中で非常に軽量です。 「軽量化」という時代のニーズに応える素材として、アルミニウム、マグネシウムいずれも重要な役割を果たしています。
アルミニウムの比重は約 2.7、マグネシウムの比重は約 1.7 であり、共に実用金属の中で非常に軽量です。 「軽量化」という時代のニーズに応える素材として、アルミニウム、マグネシウムいずれも重要な役割を果たしています。
アルミニウム、マグネシウムはいずれも比強度・比剛性が高く、要求強度に対し部品の薄肉化、軽量化が可能です。
アルミニウム、マグネシウムはいずれも非磁性体であり、磁化されず磁界の影響を受けません。
アルミニウムの場合は、この特性とアルミニウムの他の特性とを組合わせて、パラボラアンテナ、船の磁気コンパスなどの計測機器、電子医療機器などに活かされています。
アルミニウム及びマグネシウムの熱伝導度はそれぞれ 225W/mK , 154W/mK と良好で、機器内部の熱を効率的に発散します。
この特性を利用して、アルミニウムの場合は冷暖房装置、熱交換器や飲料缶などに使用されています。
アルミニウムの電気伝導率は銅の約60%。しかも比重は約1/3なので、同じ重さの銅と比べると2倍の電気を通すことができます。架空送電線などはこの特性を利用したものです。
また、マグネシウムの電気伝導率は銅の約40%、比重は約1/5なので、こちらも同じ重さの銅と比べると2倍の電気を通すことができます。
アルミニウム及びマグネシウムも導電性材料であることから、いずれも安定した電磁シールド性を有しています。ちなみに、マグネシウム合金は30~200MHzの帯域で 90~100dB の安定した電磁波シールド性をもっていることから、ノートパソコンや携帯電話の筐体などに使用されています。
他の金属に比べて、アルミニウム及びマグネシウムは使用後の再生が簡単で、再生時に必要なエネルギーも、アルミニウムは地金製造時の約3%, マグネシウムは約 4% と非常に小さくなっています。
アルミニウム及びマグネシウムは鉄に比べて切削抵抗が小さいため、早い速度で切削加工が行えます。
所要切削動力指数は、マグネシウムを1とすると、アルミニウムが1.8、鉄が6.3となり、アルミニウム及びマグネシウムは鉄に比べて切削しやすい金属と言えます。
アルミニウム、マグネシウム及び鉄のデント性はそれぞれ 2.0, 2.9, 0.8で、アルミ二ウム及びマグネシウムは鉄より値が大きくなっており、物が当たった時に生ずるくぼみが鉄に比べて小さいことを示しています。従って、外観が重要な品質であるパソコン、携帯、ポータブルオーディオ機器、アタッシュケースなどは、くぼみ傷ができないという点で、このデント性が高いことは意匠上魅力的です。
アルミニウムは化学的に非常に活性で、大気中で、表面に緻密で保護性の良好な酸化皮膜が形成されるため耐食性が良好です。
耐食性、強度をあげたアルミニウム合金は、構造物や船舶用材にも使用されています。
アルミニウムの表面は熱、光、電波をよく反射します。
このため、アルミニウムは、暖房器具の反射板や照明器具、パラボラアンテナなどに利用されています。
アルミニウムには毒性がなく、無公害で衛生的です。万一成分が流出したり、化合物を作ったりしても、重金属のように人体を害したり、土壌を傷めたりすることはありません。
マグネシウムは鉄に比べて振動吸収性に優れています。合成組成により変化しますが、特に純度の高いマグネシウムほどその性能は高くなります。
その高い振動吸収性から、自動車ハンドルの芯金、アンプやスピーカーの振動を吸収するインシュレーターなどに使用されています。
マグネシウムは150℃・100時間の加熱でも寸法の変化量が小さく、100℃以下ではほとんど変化しません。
マグネシウム合金の比熱が小さく正確な温度調整が可能という特性と、寸法安定性による熱歪の少なさから、リフローパレット材に使用されています。